伝えたい２０１９年７月沖縄

　参院選が終わった。投票締め切りの午後8時ちょうどに、当確の報が出るのは沖縄だろうと期待していた。予想通り、高良鉄美さんの当確が飛び込んできた。一方、富山で立憲野党の候補者が勝利するには、まだまだ道は長く険しい。市民と立憲野党との間で13項目の合意が取り交わされての選挙戦だったが、富山では辺野古のことも普天間のことも、また日米地位協定のことも、一度も聞かなかった。選挙になると、人々の生活を守るということが前面に押し出され、安全保障問題やエネルギー問題が後景化していく。生活を守る政治、命を守る政治が大切なことは言うまでもないが、安全保障問題やエネルギー問題が「大きなこと」として、生活とは切り離されているように思え、これでいいのかと疑問が残った。どうしたら、日米地位協定や普天間返還・辺野古新基地断念が「沖縄の問題」から「みんなの問題」にできるのだろうー

　在日米軍機の事故時の対応を巡り、日米両政府が新たな枠組みで同意したという。しかし、事故現場周辺の「内周規制線」は日米共同管理となっており、日本側が迅速に現場に立ち入れたとしても、米軍財産である事故機を直接調査できるかどうかは「別の問題」（外務省）だとのこと。どこが改善されたのか、よく分からない。前泊博盛さんは、事故現場への立ち入りが問題なのではなく、事故原因の究明を日本側が主体的にできるかが問題なのだと指摘している。全くその通り、そこが肝心な点だ。

　沖縄の被爆者は、1957年施行の旧原爆医療法の適用を受けることができず、1965年になって琉球政府が同法の準用を決めて初めて適用されることになった。この事実を知らなかった。

　富山市で開催された全国知事会では、玉城デニー知事が昨年の全国知事会の「米軍基地負担に関する提言」をさらに進めるよう発言していた。富山で読む新聞にはこのことは全く記事になっていなかった。

　映画「主戦場」を見なかった代わりに、かなり以前から読みたいと思っていた川田文子さんの「赤瓦の家」を図書館で借りて読んだ。日本の植民地時代の極貧の生活、仕事があると誘われて渡嘉敷島に連れてこられ、日本軍「慰安婦」にされたペ・ポンギさんの人生を償うことはできない。しかし、彼女（たち）の人生に寄り添おうと努力することはできる。

　昨日（8/7）、沖縄県は抗告訴訟を提起。県による埋め立て承認撤回の効力を止めた国土交通相の決定を取り消すよう求めている。これについては来月に。

2019年8月8日　月桃子